自己免疫疾患とは?
私達の体には、外から侵入する細菌やウィルスから体を守るための、
免疫機能と言うものが生まれつきあります。風邪をひいてもちゃんと治るのは
この免疫機能が、体に侵入ウィルスと戦って、守ってくれているからです。
通常この免疫機能は、自分の体と、外部からの異物をちゃんと見分ける力を
持っています。これだけなら、生物にとって無くてはならない優秀な機能と
言えますし、生命の維持には欠かせません。
ところが、自分の許容範囲を超えて免疫機能が酷使されると、そこの狂いが
生まれてしまいます。「あ、狂った」と自分で判断して、そこも治してくれると
とても良いのですが、そううまくもいかないものなのです。
そうして狂いが生じた免疫機能は、自己抗体と呼ばれる本来ないはずの細胞構造を
作ってしまいます。こうなると、自分の体と外部からの異物の区別がつかなく
なってしまうのです。
そのため、敵ではない自分の体や体の一部を、正常なのにも関わらず、
排除しようと攻撃をはじめます。それが自己免疫疾患です。
自己免疫疾患は、まだ全てが解明されていない、完治が難しいものです。
橋本病は、この自己免疫疾患のひとつで、自己抗体がなぜか自分の甲状腺を
異物とみなし、敵として攻撃を始めます。その結果甲状腺が破壊され始め、
ホルモンの分泌が減ってしまうと、低下症の症状が出てしまいます。
自己免疫疾患は、そのメカニズムが全て解明されているわけではありませんが、
近年増加傾向にあるそうです。
食べ物の添加物の増加や欧米化、ストレス社会など、現代の生活習慣が
大きく関わっていることは間違いないでしょう。ただ、人によってその症状や
発症する病気は様々で、自己免疫疾患と一くくりにすることは難しいです。
今のところ、狂った免疫機能を元に戻す治療法はありません。
また、1度体のどこかを攻撃し始めると、別の場所も攻撃を始めることが
あります。合併症を起こしやすいんですね。
体を酷使したことで免疫が狂ったのは間違いないと思うので、もしも
自己免疫疾患を発症したら、それまでの自分の生活を振り返り、改善できる
ところは改善していくことも、医師の指示が無くても大切かなと思います。