自己免疫疾患の様々な症状
自己免疫疾患の症状は、自分の中の免疫機能が、どこに攻撃を仕掛けるかで
変わってきます。全身のあらゆるところに症状が現れるため、体に不調が
起こっても、す ぐに自己抗体によって引き起こされているは気づかないものです。
例えば、このサイトにもある橋本病やバセドウ病は、自己抗体が甲状腺に
刺激を与えたり破壊することで起こります。甲状腺が担っているあらゆる
働きに影響が出ますので、症状は実に多彩です。
皮膚が損傷を受けたときは、水疱性類天疱瘡、天疱瘡、赤血球が傷つくと
自己免疫性溶血性貧血、脳や脊髄が傷つけば多発性硬化症、インスリンを作る
細胞を壊してしまうと、1型糖尿病などが起こります。
また、全身の筋肉やあらゆる部分に損傷を起こすこともあり、その場合は
重症筋無力症、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどになります。
それぞれの自己免疫疾患の特徴をあらわした症状が出ますが、 その患者さんに
よって、同じし自己免疫疾患でも症状の重さも様々です。また同じ治療を
受けても、予後の状態も違うと言われています。
橋本病もそうですが、自己免疫疾患は、基本的に根本的な治療はありません。
ですが、どの疾患も症状が出てから放置した時間が長いほど、悪化したり
薬などが効くまでに時間がかかることが多いようです。
また薬物などによる適切な治療で、良い経過をたどる疾患もありますが、
命に関わる重大な自己免疫疾患もあります。はじめは「少し調子が悪い」
くらいでも、いつ治療をはじめるかでその後の生活も変わるのです。
このことから、大切なのは重大な症状が現れる前に、適切な診察や検査を受け、
自己免疫疾患を見つけることです。あ る程度の年齢にさしかかっている人の方が
年だから、とか忙しかったからと、自分の体を自己判断しがちです。
橋本病やバセドウ病のように、普通の健康診断では検査しないものも
ありますので、少しでもいつもと違う様子があれば、念のため病院へ
行くと言うのも、長く健康を守る上では大切なことと言えそうです。